今日から不良王子と同居します。
今日来るかな、明日は来てくれるかなってそれだけを頼りに、寂しくても毎日をやり過ごしていた。


学校でも家でも私は、努力して普通にふるまっていた。


明日香ちゃんと直政くんと楽しい話をしてふざけたり、笑ったり。


何事もなかったように時を過ごしていた。


だけど、ポケットの中にいつもお守りのようにあのクマのぬいぐるみをいれていて、時々それを眺めては小さくため息をついている。


玲生くんと初めてコンビニに行った時に、彼が買ってくれた手のひらサイズの小さなぬいぐるみ。


白い身体に青い目の可愛いぬいぐるみを見てはその時の楽しかったことを、思い出して。


彼に会えない日々は辛かったけど、私は精一杯頑張っているつもりだった。


たぶんもうすぐ会えるからって、期待しながら。


まさか、あれですべて終わりじゃないよね。


だって、私達あんなに仲良くなったのに。


恋心が芽生えたからって、一生会わないってことないよね。


だって、私には信じられなかったから。

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