今日から不良王子と同居します。
「教えて、どうしたらこの気持ちがなくなるのかな?こんなに苦しいのもう嫌だよ」


「お嬢様……」


ばあやも、泣きそうな顔をしてる。


泣かないで、ばあや。


ごめんなさいって心の中で思いながら、
堰を切ったように気持ちが溢れだしていた。


ばあやは、私を愛してくれている人。


お母様がなくなってからずっと私の幸せを願い続けてくれた人。


こんな風に、心配なんてかけたくなかった。


ばあややお父様の望むようなちゃんとしたいい子でいたかった。


お母様があんなことになってから、みんなが、悲しかったはずだもん。
 

私がお母様の代わりにしっかりとこの家を支えないといけないんだからって思っていた。


だけどもうそれも限界だった。


私の心は弱くて、初めての恋と失恋に耐えられなくて。


かえって、ばあやに心配をかけることになってしまった。


「助けてばあや、助けて…」

< 309 / 373 >

この作品をシェア

pagetop