今日から不良王子と同居します。
「お嬢様、大丈夫です。ばあやがついておりますよ。
まあ、お嬢様凄いお熱がありますよ。どうしてこんなになるまで」


頭が痛くて、息も苦しい。身体中が熱くて。


私はその夜から熱を出してしまった。


苦しくてうなされて、大好きな彼の名前を呼んでいた。


「玲生くん」


そういえば、ここ何日も眠れなくて食事も喉を通らなかったっけ。


そのまま、ベッドから起き上がれないくらい気力も体力も無くなって。


うわごとのように彼の名前を繰り返し呼んでいた。




「玲生くん?」


心配そうに私を見つめる玲生くんは今にも泣き出しそう。


大好きな青い瞳が、少し赤く充血している。


大好きな玲生くん。


でも彼がここにいるわけがない。


彼は私にはもう会わないって言ったんだから。


「音葉さん、ごめん」 


どうして謝るの?


熱に浮かされてぼんやりして、夢を見ているんだ。


そっか夢だよね。

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