今日から不良王子と同居します。
だってやっぱり彼は凄く素敵でカッコよくてキラキラしてる。


私に会えなくても全然平気そうに見えたから。


私なんて涙でグチャグチャで、汗だっていっぱいかいててひどい状態なんだよ。


夢なのに、どうしようもなく腹が立ってくる。


気がつけば八つ当たりするようなことばかり口をついてでていた。


「うそだ、そう言っていなくなるんでしょ。
玲生くんなんて嫌い、意地悪な玲生くんなんて。
私に会いたくないって言う玲生くんも嫌い。
突然さよならするから嫌い。
荷物全部持ってくのやだ、あれは私のなのに。ぜんぶ玲生くんのものは私のなのに……」


夢の中で悪態なんてついてなにやってるんだろ。


ああ、でも夢だからいいや。


しかもろれつが回らなくてうまくしゃべれない。まるで子供みたいだ。


でも現実じゃ言えないから。


夢の中でくらいは、思ってること全部言いたいの。


「音葉さん」


彼は心配そうに私を覗き込む。

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