今日から不良王子と同居します。
「ひどいひどい、会いに来てくれないのひどいよ。こんなに寂しくて苦しいのに……」


「ごめん」


次の瞬間、ベッドに横になる私に覆いかぶさるように、玲生くんは私を強く抱きしめてくれた。


そして、彼は幾度も繰り返し謝る。


なんていい夢なんだろう。すっごくリアル。


抱きしめられた感触が確かにある。


それに抱きしめられると、凄く心地良くて幸せな気持ちになる。


夢の中の彼はいつまでも私の背中をさすってくれていた。


私も彼の背に腕を回してすがりついていた。


このまま、夢の世界にずっとずっといられたらどんなにいいだろう。


もう2度と彼を離さないでおこうって思ったけれど、結局朝はやってきて。


無情にも、幸せな夢は終わってしまった。


朝起きたときに、彼の姿はどこにもなかった。
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