今日から不良王子と同居します。
明日香ちゃんが、どうでもよさそうに返事をした。


「今年は青い瞳のイケメンがいるから特にギャラリーが多いらしい」


「え、それって……」


玲生くんのことだ。彼を見るためにこんなにたくさんの女子高生が来てるってこと？


それって……。なんとなく複雑。


「神崎は朝から大活躍だって。運動神経がずば抜けていいらしいよ」


「へ、へぇそうなんだ」


確かに玲生くんは運動神経がよさそうだった。ここでの喧嘩の時でも、誰よりも身のこなしが早くてびっくりしたっけ。


その時のことを思い出して胸の奥がキュッとした。


「グラウンドはあっちだって、行ってみよう」


正面には校舎があり、その横に大きなグラウンドが隣接しているみたい。


「音葉、大丈夫？玲生くんに会っても平気？」


移動しているときに明日香ちゃんがそっと話しかけてきた。


私達を守るように数歩先を歩く直政くんには聞かれたくないみたいに小声で。

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