今日から不良王子と同居します。

対決……そして。




「玲生、なに呑気に寝てんだよ。早くグラウンドに来いって。おまえ、お嬢様になにしたんだよ」


「お嬢様の男が暴れてて、手が付けらんねーんだぞ」


「お嬢様?きてるよ、きてる。目の前にいる」


蒼汰くんは私達に聞こえないように声を潜めてスマホ通話している。


「直政くん、お願いだからもう帰ろうよ。私がいけなかったの。ごめんなさい、謝るからもうこんなことやめて」


「直政、もうやめてよ。こんなやり方あんたらしくないって」


玲生くんがここへ来るまでの間に、私と明日香ちゃんとで一刻も早くここから離れたくて必死で直政くんを説得した。


だけど、彼は仏頂面をして胸の前で腕を組んで黙っている。


そして、蒼汰くんが電話を切ってから3分もたたないうちに玲生くんが走ってきた。


玲生くん……。


久しぶりに彼を見たら心臓が大きく飛び跳ねる。


上下紺色のジャージ姿でこちらへ向かって颯爽と走ってくる姿が素敵すぎて。



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