今日から不良王子と同居します。
「構わないさ」


玲生くんは私や明日香ちゃん達に目をやると、深くため息を吐いた。


「直政さん、ガラにもないことするなよ。
学校でこれ以上騒ぎを起こされたらこっちが迷惑なんだよ。音葉さん達を連れてサッサと帰れ」


玲生くんはどうやら直政くんと闘いたくないように見えたからホッとした。


彼だって腹が立っているはずなのに、私達のために、我慢しようとしてくれている。もしかしたらさっきの合図はこういう意味？


だけど、直政くんは納得しかねるようで。


うそ、どうしよう。せっかく玲生くんが喧嘩を回避しようとしてくれているのに。


「不良のくせに学校にバレて処分を受けるのが怖いのかよ。
だったら場所をかえればいい。どこか人気のないところへ」


「だから、やらねーつってんだろ」


玲生くんがつっぱねると、直政くんは真剣な目でこう言った。


「音葉をかけるって言ったら？」


「は、なんだそれ。どういう意味だよ。婚約者だからって音葉さんはあんたのものじゃないだろ」

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