今日から不良王子と同居します。
そっか、私ずっと敬語で話してた。これじゃあ確かに堅苦しいし仲良くもなれないよね。


「わかった、玲生くん」


「うん」


ホッとして彼の後ろ姿をじっと見つめたら、耳たぶがうっすらと赤い気がしてドキンと胸が鳴った。


もしかしたらだけど、照れたりとかしてるのかな。


もしそうだとしたら、ちょっと可愛いかも。


私よりもずっと背が高いし大人びた外見で中身もしっかりしてそうな彼。


女の子にだって慣れているのか私のことをからかってきたりするクセのあるところはまだちょっと苦手だけど。


でも、やっぱり年下らしい純真な部分もちゃんと隠し持ってるんだなって思ったら急に親近感がわいてきた。


ちょっとホッとしたっていうか嬉しいっていうか。


これなら、なんとか私もやっていけるかもしれない。


年頃の男の子とひとつ屋根の下で、これから一緒に暮らすことになるんだもん。


不安がないわけじゃなかったけれど、この時、シャイな16歳の一面が垣間見れたからちょっと自信が湧いてきた。


あ、どうしよ。嬉しくて頬が緩んじゃう。


そのあとすぐに彼はウトウトしだして車のドアにもたれて眠ってしまった。
 
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