今日から不良王子と同居します。
背中にゾクッと冷たいものが走った。


思わず後退りしたら、誰かに腕を掴まれて凍りつく。


「そんなに怖がらなくて大丈夫、俺、優しいから」


「離して」


ニヤリといやらしく笑うその男の手を振りほどこうとしたけど、力では全然かなわない。


「俺とも遊ぼうよ」


今度は他の誰かに反対側の肩を掴まれる。


「い、いや」


断っても離してくれるわけはなかった。


どうしよう、早く玲生くんに気づいてもらわないと大変なことになりそう。


「玲生くーん」


私がそう叫んだら、彼はすぐに振り返って目を見開いた。


「音葉さん」


すると、両サイドから私を取り囲んでいたふたりの男の動きが止まった。


そして、不満そうに私から離れた。


だけど、恐怖のせいで私はその場に凍り付いて動けない。


「なんだよ、彼氏持ちかよ」


「羨ましいぞちくしょー」


悪態をつかれて、怖くてビクッとした。


「音葉さんっ」


「玲生くん」


「おまえら、関係ねーだろ。どっか行け。その人に構うんじゃねーよ」
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