今日から不良王子と同居します。
「もう平気、少し落ち着いたみたい。歩けるからおろして」


「うん」
 

彼は慎重に私を地面に下ろすと支えるように背中に手を回してくれた。


うちの車の近くまで戻って来ていたこともあって、ちょっと安心していた。


玲生くんだっているしここまで来たらもう大丈夫だろうと思った。


あらためて玲生くんの友人達に目を向ける。


金髪の髪色をしているお友達が3人に青い髪の人が1人、あとは長い黒髪を後ろで結んでいる人もいる。


だけどよくよく見たら私よりも2歳年下だからかやはり顔立ちはどこかあどけなさが残る。


周りの人と同じように誰一人として制服をちゃんと着ている人はいなくて思い思いにアレンジしている。


シルバーのチェーンをズボンにかけている人もいて。


それに耳にはピアスの穴を何個もあけている人がいたり。それどころか唇や眉毛のあたりにもピアスをつけている。


この中だとやっぱり玲生くんが一番大人びて見えるな。


「あの、みなさん、玲生くんのお友達?」


「ああ」


「そっか、じゃあご挨拶しないと」


「は?何言ってんの。音葉さん。それより早く車に戻って」

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