今日から不良王子と同居します。
私を心配して車に乗せようとせかす玲生くんの声は優しい。


お友達の1人はひやかすようにヒュッと口笛を鳴らす。


「いつも、玲生くんがお世話になってます。玲生くんのことは、昨日から我が家でおあづかりさせていただいてますのでどうぞご安心くださいね」


にっこり笑って彼らにご挨拶をして頭を下げた。


「……」


だけど、彼らはぽかんと口を開けておかしな表情をしている。


あれ、どうしたんだろう。


「やべ、めっちゃ可愛い」


「純度100％のお嬢様じゃん」


「玲生にだまされてるんだ、きっとそうだ」


そして顔を見合わせてコソコソ話し合い始めた。


それから、私に向き直ると全員こちらへ一斉に頭を下げてきた。


「お嬢様の写真を撮らせてください。よろしくおねがいしまっす」


おおきな声で叫ばれてびっくりしたけど、意外にも体育会系のノリ？


どうして私なんかの写真を撮りたいのかよくわからないけど、世間ではそういうのが流行っているのかな。挨拶代わりに写真を撮って仲良くなるとか。
　

私って流行りに疎いし2歳差でもジェネレーションギャップがあるのかもしれない。


「えっ写真？べつにいいよ」


「音葉さんダメだって」


玲生くんが慌てて、私を止めようとする。
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