今日から不良王子と同居します。
「え。けいさつ?いいのかな。でも……」


「あの学校は無法地帯です。教師でも手が付けられないワルばかりですよ」


そうか、警察が来たらあの喧嘩を止めてくれるかもしれない。


だけど、玲生くんはどうなるの?連れていかれたりはしないだろうか。


「玲生くんが怪我でもしたらどうしよう、心配だわ……」


まだ小刻みに震えながら彼のことを思っていたら、川本さんが前を向いたまま口を開く。


「お嬢様、それよりも相手のことを心配したほうがいいですよ。あのお坊ちゃんの方が数段強かったですから。まったくとんでもない御曹司ですよ」


「えっ?」


呆れたようにため息をついた川本さんを複雑な気持ちで見つめてしまった。


「お嬢様にはわかりませんか?あれはかなり慣れていますよ。あの坊ちゃん、並の不良ではありませんね」


不良って。。


そうなのかな?無我夢中だったからよくわからなかったけど玲生くんってそんなに喧嘩が強いんだろうか。


だとしても、心配だよ、すごく。


相手は上級生なんだもん……。


どうか、無事でいて、玲生くん。



< 56 / 373 >

この作品をシェア

pagetop