今日から不良王子と同居します。
だけど、彼は私にそのことはあまりまだ重く考えないように幼なじみとしてのスタンスで気楽に接しようって言ってくれている。


結婚だなんてこんな学生のうちに勝手に決められても彼だって窮屈なだけだろう。


だから、私もそのことについてはあんまり深くは考えないようにしているんだ。


そもそも、私って高校3年生にもなるというのにこれまで恋愛方面にはあんまり興味がなくて。


時々、同じ学校の男子から告白されたりしても断りかたに困ってしまうこともしばしばで。


でも、婚約者の直政くんの名前をだすと、相手もすんなりと諦めてくれる。


それだけ、直政くんが有名で一目置かれている存在なんだろうなって思う。


直政くんとはお互いに恋愛感情は無くて、仲の良い幼なじみという認識しかない間柄だけど。


別に今すぐどうこうって話しじゃないしって、あまり考えもせずに婚約のことはすんなり受け入れていた。


それに直政くんだって私と、似たような気持ちなんじゃないかなって思ってる。


「直政、邪魔するな―。音葉とラブラブモードに入ってるんだからね」


明日香ちゃんは私の背中に回した手の力を強める。

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