今日から不良王子と同居します。

「なんだよそりゃ」


だけど、直政くんはちょっとあきれ顔。


明日香ちゃんは、私と直政くんだけ婚約してズルい、私も混ぜてって真顔で言うほど私を溺愛？してくれてる。


そんな明日香ちゃんに直政くんが冷たく突っ込みを入れるのがいつもの私達のお約束のお遊び。


あーやっぱり、いいな。


なんて平和で優しい空気に満ちてるの。


当たり前だと思っていたけどこの日常がこんなにも尊いなんて。


さっき私がいた殺伐とした場所とは大違いだよ。


「うらやましいか、直政、いくら婚約者でも私たち女子の友情にはかなわないんだからね」


「はいはい、どうせ男の俺はいつも仲間外れだよ。で、俺の婚約者さんはどうしてそんなに浮かない顔をしているんだよ」


彼は心配そうに私の方をチラッと見た。


「んーそうなのよ、それを私も今からゆっくり聞こうと思ってさ」


「うん、それがね……」


私は、はぁってため息を漏らして視線を落とす。


一体何から話したらいいのか頭の中で全然整理がついていない。


「ちょっと、混み入った話になりそうだし場所を移そうか」


「そうだな」