今日から不良王子と同居します。
私の顔色を見て二人は相談して保健室へ連れて行ってくれた。


そしてそこで幼なじみのふたりに昨夜から私の身に起きた出来事を話すことになった。


実を言うと、もう自分一人では抱えきれないくらいになっていたから誰かに話を聞いてもらいたかったんだ。


だけど、私にしてみればそのことはまさに大冒険をしているくらいに衝撃的なことだったから、うまく説明できなかったかも。


時々興奮して話が大袈裟になっちゃったりわかりにくかったりしていたと思う。


だけど、ふたりは辛抱強く私のそのたどたどしい説明に耳を傾けてくれた。


昨夜、黒髪に青い瞳をした16歳の少年を我が家に招き入れることになったこと。


お父様に頼まれて、しばらくその子を我が家であづかることになったこと。


彼は有名な神崎グループの経営者の次男で、不良高校に通っている。


彼を車で高校に送って行ったら、そこの男子生徒達に注目されて怖かったこと。


その後、私をめぐって乱闘騒ぎになってやっとのことで、私だけが逃げてきた。


私を助けるために身体を張って守ってくれた玲生くんのこと。


今は彼のことが心配でたまらない。
< 63 / 373 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop