今日から不良王子と同居します。

彼が怪我でもしたらどうすればいいかわからない。


だけど興奮しながら声を詰まらせて話していたら、明日香ちゃんに制止された。


「わかった、わかった。ちょっと休憩。音葉ほら涙拭いて」


「え、あっごめん」


いつのまにか泣いていたみたい。


無我夢中で話をしていたから気が付かなかったよ。


やはりあの場に残してきてしまった彼に申し訳なくて罪悪感で一杯になっていた。


「あんたも、少し落ち着きな、直政」


「……」


明日香ちゃんの隣に座っていた直政くんに目を向けたら、拳をぐっと握っている。


そして見たこともないような怖い顔をしていたから驚いた。


「なおまさくん？」


「音葉、君は……」


鋭く語気を含んだその声にビクッとして。


ベッドに座っていた私は彼を見上げる。


彼の端正な顔は苦痛に耐えるようにこわばっていた。


「あの」


「音葉、どうしてそんな場所へ行ったんだ。軽率にもほどがある。もし君に万が一のことがあったら……俺は」


「えっ」


「いや、君のお父上がどんなにショックを受けるかしれないだろ」