今日から不良王子と同居します。
正当防衛なのかもしれないけど、それって喧嘩になったってことだよね。


彼がそうせざるを得ない状況になってしまって、どんなに大変だったろうって想像したら怖くなってくる。


すると私の様子に気が付いた彼はちょっと慌てだす。


「いや、もうこの話は辞めようか。とにかく、俺は好きこのんで喧嘩をするタイプの不良じゃないから、これからは気を付けるから安心して」


「う、うん。もう喧嘩はしないでね。でもあの先輩たちは」


それでも、彼に敵意を向けてくる人たちがいることは事実。そのことが凄く心配。


だけど彼は大丈夫だよって言って、私を気遣うようにまた優しく笑ってくれて。


「そのことなら大丈夫。あの人たちって3年だからもう今のこの時期は就職先が決まってるらしくてさ、学校側からもあんまり睨まれたくはないみたいで。今回のことで、しばらくはおとなしくなると思うよ」


そっか、就職先か、3年生のこの時期だしいつまでも勝手なことは出来ないってことなのかな。


「そうなんだ、じゃあもう喧嘩にはならないで済むんだね」


いつのまにか、彼に詰め寄るように近づいていた。


「うん、俺もその辺はうまくやるつもりだから安心して」
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