今日から不良王子と同居します。
見れば彼はさっきまで表情を曇らせていたくせに、今はアハハって笑っている。


キラキラ輝く笑顔、まぶしい。


よかった、彼の笑顔が戻って。


私も彼に両手ですくって水をかけた。


向こうは水着だからダメージなんてないに等しいんだろうけど。


プールの生ぬるい水が私のTシャツを濡らしていく。


だけど、濡れるのも構わずにはしゃいでバシャバシャ彼に水をかけた。


あんまり勢いよくかけたから彼がゴホゴホとむせてしまったほど。


「音葉さん、かけすぎだって」


それを見てまた、笑う。


どうしよう、凄く楽しい。


「あーあ、結局ズブ濡れになっちゃった」


ニコニコ笑って彼の方を見たら、なぜだか恥ずかしそうに目をそらしている彼。


「うん、音葉さん。着替えておいでよ。それかなり目のやり場に困るから」


「え?そお?水着みたいなものだよ」


「音葉さんって意外に大胆だな、でもなあ思春期の男にはちょっと目に毒」

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