俺の宝物は、お前の笑顔。
「宗馬、やっぱりここにいたか」
「あれ、高畑くん」
宗馬のお母さんが作ってくれた、お化けのアイスを食べながら近づいてきたのは、高畑くんだった。
「おお、健二。なんでここにいるんだ?」
「自分の家で待ってるって言ったのに、いねぇからさー」
「あ、そうだった。すまん」
やっぱり宗馬は、高畑くんをここに呼んだんだね。
……って、それよりそういう約束をしておいて、公園に来ちゃうとか、宗馬、何やってるんだか。
高畑くんの肩を持つ気は別にないんだけど、さすがに宗馬のその行為はひどくないか?
「だから、おばさんにどこにいるか聞いてここに来たんだよ」
そう言いながら、高畑くんはお化けのアイスをパクパク食べている。
「それ、うちの母さんが作ったやつじゃん」
「お前のいる場所聞いたついでにもらったんだよ」
宗馬がそう言った途端、ピロン、とメッセージの着信音が流れた。
「……あっ、親から『今すぐ来い』ってメール来てるわ」
……宗馬くんのお母さん、絶対高畑くんとの約束破ったことで怒ってるんだよね……?
「じゃ、一応ちょっと俺行くわ。じゃあな!」
「うん、またねー!」
まあ、この件に関しては宗馬が怒られてもしょうがないよね。
あたしは、急いで帰る宗馬に手を振った。