俺の宝物は、お前の笑顔。
翌日。
案の定、いや、あたしの予想以上に宗馬はお母さんからお説教を受けたらしく、頭を抱えていた。
「勉強以外でこんな怒られたのマジ久々だわー」
あたしの斜め後ろの席で、いつもよりは低い声を出している。
「あははは……」
その様子を見て、あたしの席の後ろで立っている愛菜が力なく笑っている。
まあ思い出すだけで頭を抱えるほどのお説教を受けたのは災難だったと思うけど、普通に宗馬が悪いしね。
「瑠夏ちゃんは、大丈夫?」
「わたしがお風呂に入るまでは、だいぶうなされていたんだけど、その後は薬が効いてきたみたいで、今日はぐっすり寝てたけど学校は休ませるって」
「そっか」
なら良かったけれど、はやく瑠夏ちゃんも元気になって学校に行けるといいな。
「なあ健二ー。昨日のイベント、結局何かしたのかよ」
「お前が帰ったせいで、特になんもしてねぇよ」
うん、そうなんだよね……。
あたしも高畑くんがしたいことなど、特に何にも言わなかったから、しばらく公園で立ち尽くした後、普通に家に帰っちゃったし。
呼ばれておいて待ち合わせ場所である宗馬の家には呼んできた本人はいないわ、お母さんに呼ばれて帰られるわ、その後あたしと2人っきりになった後もすることないわで、高畑くんは一体あたし達の家の近くで何をしにきたんだろう。