俺の宝物は、お前の笑顔。
あたしは自習室に残ることにして、愛菜も袖川さんも一緒だ。
「愛菜〜、お願い! ここ教えてー!」
「あたしのもー!」
愛菜に分からないところを教えてもらいながら、あたしはキャラメルを頬張る。
「いいよ、ちょっと待って」
愛菜は、フルーツキャンディの袋を取り出し、そこから飴玉を手に取って、ぽいっと口の中に放り込む。
袖川さんも一緒になって、豆乳クッキーを食べながら愛菜の説明に耳を傾けた。
「袖川さん、そういうの好きなの?」
「うん、美味しいよー! 低糖質だから、ダイエットにもぴったりなの! 星野さんと久保田さんも食べる?」
……低糖質かぁ。
思わず、あたしは袖川さんの体を見つめてしまった。
細くて、引き締まった体だ。まるでモデルさんみたい。
食べているのが低糖質のお菓子だからなのね、納得。
「じゃあ、いただきまーす」
「わたしも、いただきまーす」
あたしと愛菜は手を伸ばして、袖川さんの豆乳クッキーをかじった。
サクサクといい音を立てながら、クッキーをかじると甘さ控えめの味が口の中で広がった。
優しい味の豆乳クッキーは、なんだか新鮮だった。
……っていうか、どんだけダイエットできてないんだ、あたし。