俺の宝物は、お前の笑顔。

冬休みに入って初日。


昨夜、急に宗馬から連絡が入って、愛菜と高畑くんとあたしの4人で一緒にご飯を食べたいということで、夜ご飯はそのメンバーで過ごすことになった。


場所は、手軽に外食ができるイタリアンだった。



「そんなん家族で行けって感じなんだけどなぁ」



高畑くんは、不服そうに唇をとがらせた。



「まあまあ、ピザ美味しそうだし食べようよー」



あたしは、そう言ってマルゲリータに手を出した。
他にもペスカトーレ、クアトロなどのピザが運ばれてくる。



「3種類も頼んで、大丈夫なの? お金とか」



不安そうに訊ねる愛菜に、宗馬は軽く手を振った。



「平気だって。そんなに高くないし」



「あちちちっ!」



ピザはまだ出来立てで、口の中に含むと熱さが広がって、金魚のように思わず口をぱくぱくさせてしまったあたし。



「んー、美味しい!」



「ほんと、すごく美味しい」



「ほら、お前も食えよ」



宗馬に促され、高畑くんもペスカトーレのピザに手をつけ始めた。




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