俺の宝物は、お前の笑顔。
ピザがなくなると、ウェイトレスの方が下げてくれて、デザートのケーキを持ってきてくれた。
ピンク色のいちごクリーム、ラズベリーやマカロンまで乗っている可愛いケーキだった。
ホワイトチョコのプレートまで乗ってあって、『Merry Christmas』と書かれてある。
「ずいぶん女子って感じのケーキだな。なんでこんなピンクで甘そうなケーキを、男の俺まで食べなきゃいけねーんだよ」
高畑くんは、憎まれ口を叩いた。
確かに……可愛いけど、こんなにピンクのケーキなんかあたし達が食べていたら、なんだかダブルデートみたいだもんね……。
「いちいちうるせぇなー。男の“俺”ってなんだよ、”俺ら“って言えよ。俺を女みたいに言いやがってー」
「別にお前嫌がってねーじゃん。ピンクのサイリウム持ってたりするしな」
「お、言ったな。ピンク、イコール、女じゃねーっつーの」
2人のやりとりに、あたしは愛菜と一緒にプッと吹き出してしまった。
「もー、2人ともいちいち突っかからないでよ。食事中なのにー」
「お前はよく平然と食えるな」
あたしがそう言うと、高畑くんはいぶかしげに顔を向けてそう言ってくる。
「話聞いてる?」