俺の宝物は、お前の笑顔。

ゆりあ、か。


自分の部屋に入っては、俺は思わずいらなくなったプリントの裏にそう書いてしまった。


外国人みたいな名前……。



『親御さん、名づけ上手なんだね!』



目を輝かせて、なぜか親父のことを褒める星野。



『あっ、パパ、ママ!』



にこっと笑いながら、両親の元へ駆け寄っていた星野。


星野に似て、明るい表情をした両親。


明るさと愛がいっぱいある家庭、といった感じだった。


例えると、太陽みたいな感じだろうか。



「ゆ、り、あ……」



声に出してみると、名前の最後に『あ』という音が入っていて、余計に明るい響き。


……あいつって、自分が思うよりも名前にぴったりな奴だな。


外国人みたいな容姿だけじゃなくて、ああいう周りを照らすような屈託のない笑顔をするところ。


その後俺は、兄貴達に見つからないようその紙をグシャグシャに丸めてゴミ箱に投げ入れた。




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