俺の宝物は、お前の笑顔。
ゆりあside
おみくじを結び終わったパパとママは、さっきまであたしが座っていたベンチに目を向けた。
「あの子は……」
「同じクラスの子だよ」
あたしは普通に答えたつもりだったけど、ママはハッとしてから目を細めてきた。
「もしかして、ゆりあの気になってる男の子とか!?」
ママのきゃぴきゃぴっとした言動に、横にいるパパは真っ青になった。
「ゆっ、ゆりあに男!? やめてくれぇ! いきなりそんなこと言われても、パパはまだ受け入れられん! こんなに早く出会って、18歳になった途端に結婚なんてことになったらパパは……!」
「パパ! ちょっと静かに!」
ママに軽く怒られたパパは、亀のように首を引っ込めた。
「パパもそうだけど、ママも落ち着きがないよ。もうちょっと冷静になって!」
「そ、そうね……」