俺の宝物は、お前の笑顔。

土曜日。


今日はなぜか、宗馬が直接報告したいことがあるから来てくれというメールを受け取り、待ち合わせ場所へ走るとすでに、高畑くんや愛菜も来ていた。


……そんなに大勢に、報告したいことがあるのかな。



「おーい、ゆりあー! 遅えよー!」



いつものように、宗馬はあたしに憎まれ口を叩いてきた。

……大体、なんでみんなこんなに待ち合わせ場所に来るのが早いの? それとも宗馬の言うように、あたしが遅いだけなの?


別に、そんなに遅く外に出てる訳じゃないんだけどな。



「ごめんって! で、何の用?」



「メールでも言った通り、俺から報告したいことがあってな!」



「だから、その報告がなんだよって言ってんだよ」



高畑くんは、めんどくさそうに言った。



ふん、と得意げな顔をしてから宗馬は愛菜の隣に立つ。



「俺と、愛菜は実はお付き合いしてましたー!」



しばらくあたしは、10秒くらい固まってしまった。

高畑くんも、その間何も言わなかったことで沈黙が流れてしまっている。




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