俺の宝物は、お前の笑顔。

それにしても、あいつはムカつく奴だ。


彼女がいるというのに、ちょいちょい星野のことを『俺の幼なじみ』とまるで両手に花か! と突っ込みたくなるようなことを言うんだ。


俺の幼なじみ……。



「おーい」



星野は不思議そうな顔をして、俺の肩をゆさゆさと揺さぶった。



「あぁ……なんでもねぇ」



「愛菜と宗馬が付き合うなんて、全然予想もしなかったなぁ」



星野はそう言いながら、宗馬と久保田が歩いていった方を見つめた。

俺もそっちに目をやると、どうやらもう2人ともいないみたいだ。今頃デートでも楽しんでるんだろう。


まぁ、宗馬も案外やる奴だとは思った。
あんだけ勉強嫌いだったっていうのに、勉強が得意な彼女作って、あそこまでテストの成績を上げたのであればだいぶ努力した方だ。

中には、いつも難しく作ってる教師のテストも90点台だったし。


そうやって考えると、俺にだって男としてのプライドってもんがある。



「……いつまでも、あいつに勝ったような顔をされちゃたまんねぇな」




< 150 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop