俺の宝物は、お前の笑顔。
それにしても、あいつはムカつく奴だ。
彼女がいるというのに、ちょいちょい星野のことを『俺の幼なじみ』とまるで両手に花か! と突っ込みたくなるようなことを言うんだ。
俺の幼なじみ……。
「おーい」
星野は不思議そうな顔をして、俺の肩をゆさゆさと揺さぶった。
「あぁ……なんでもねぇ」
「愛菜と宗馬が付き合うなんて、全然予想もしなかったなぁ」
星野はそう言いながら、宗馬と久保田が歩いていった方を見つめた。
俺もそっちに目をやると、どうやらもう2人ともいないみたいだ。今頃デートでも楽しんでるんだろう。
まぁ、宗馬も案外やる奴だとは思った。
あんだけ勉強嫌いだったっていうのに、勉強が得意な彼女作って、あそこまでテストの成績を上げたのであればだいぶ努力した方だ。
中には、いつも難しく作ってる教師のテストも90点台だったし。
そうやって考えると、俺にだって男としてのプライドってもんがある。
「……いつまでも、あいつに勝ったような顔をされちゃたまんねぇな」