俺の宝物は、お前の笑顔。
エピローグ
ゆりあside
今日は、健二と一緒に遊園地へデートに行く。
あたしは、何を着ようか迷ったけれどパステルピンクのワンピースにした。胸元に、レースとカメリアのリボンがついていて、すごく可愛いデザイン。
今日はあったかいから、上着も必要なくてよかった。
カラフルなアトラクションが、目を楽しませ、明るい音楽が耳に飛び込む。
遊園地って、ほんと最高。
「健二ー!」
後から来た健二に、あたしは思いっきり手を振った。
「さ、行くか」
「うん!」
遊園地のアトラクションを回ろうと、くるっと背を向けると、思わずあたしは「あっ!」と言いながら、体を止めた。
少し離れた場所で、紫色のブラウスに、白いスカートを揺らしている愛菜が、宗馬と一緒に歩いているところを見つけてしまった。
……まさか、デートの場所や日時が被ってしまうなんて思わなかったな。
「おい、よそ見すんなよ。今日は2人だからな」
「分かってるって!」
「じゃ、俺についてこいよ」
「え?」
まさか、健二がどこかへ連れて行こうとしてくれるなんて。