俺の宝物は、お前の笑顔。

今日はそんな愛菜と、遊園地デート。


俺の方が早く到着したようだ。
愛菜がいないと、まるで心に穴が開いたようで全然落ち着かない。



「宗馬くん」



可愛らしい声が、俺の耳をくすぐる。


声のする方には、ひょこひょこと歩く愛菜。



「おお、愛菜」



愛菜の服は、大人っぽい紫色のブラウスに、清楚な雰囲気を漂わせる白いロングスカート。


おまけに漆黒でサラサラのロングヘアは、春風に揺られている。


……やっぱ可愛いな。



「お待たせっ。宗馬くんは、早いね」



微笑(びしょう)を見せながら、愛菜はそう言ってくる。



「まあ、部活とかでは数分前に集合っていうのが当たり前だからな」



それもあるけれど、1番は俺が愛菜を待たせたくないからだけど。


……かっこつけてないで、こういうことを言えた方がいいかもしれないんだけどな。



「でもごめんね? 待たせちゃった?」



「正直待ってはいたけど、愛菜が謝るようなもんじゃないよ」



何、言ってんだろ、俺……。




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