俺の宝物は、お前の笑顔。
「何乗りたい?」
「宗馬くんは何か乗りたいものって、ないの?」
「そうだなぁー……。この空中ブランコかな。ガキん頃から大好きなんだよ。愛菜は? 乗ったことある?」
「ないなぁ」
「そっか。何好きなんだ?」
「んー、すっごいちっちゃい頃にジェットコースター乗ったことあるんだけどあんまり記憶になくて……。妹が産まれて以来、妹の乗りたいものばっかり乗ってたからねぇ。メリーゴーランドとか」
さすがお姉さんだな。
っていうか、愛菜すげーわ。
幼い妹中心に動いていて。だから、あんなに優しいのか。そりゃ、モテるわけだな。
「でも、空中ブランコは興味あるし並ぼうよ!」
「おう!」
俺と愛菜は、空中ブランコが乗れる列へと並んだ。
「キャーッ!!」
思いっきり目をつぶって、高い声で叫ぶ愛菜。
……くそっ! 空中ブランコじゃなくて、ジェットコースターにするべきだった。
ジェットコースターだったら、愛菜の手を握ってあげられたのに。
でも、やっぱり可愛くて仕方ないや。
手を握れない分、俺は愛菜の顔を目に焼き付ける。