俺の宝物は、お前の笑顔。
今日は、体育祭の練習。
男子のリレー選手のリーダーは、高畑くん。
足も速いんだ。
「リレー選手なんてすごーい!」
「応援してるねー!」
「応援されなくても頑張るよ」
相変わらず、見向きもしないで高畑くんはそう言う。
あーあ! 親切な気持ちで、ああ言ってくれたかもしれないのに!
「ゆりあ! ゆりあ、こっち!」
愛菜は、女子の集まる場所に入ってわたしに手を振っている。
そこには、もう何人かの女子が集まって並んでいる。
「ゆりあだって足は速いんだから、リレーの選手になってるでしょ!」
「あ、うん」
「わたしにとって、ゆりあは希望の星だからね!」
「ありがと、愛菜!」
高畑くん、あたしを見習って少しは素直にこう言ってみたら?