俺の宝物は、お前の笑顔。
今日はリレー以外のことでも走ったりして疲れたし、甘いものを食べに行こう。
あの時行ったクレープで、今日はチョコレートが入ったメニューでも頼もうかな。
愛菜は、今日は予定があって早く帰っちゃったみたいだし、1人で行こ。
クレープ屋さんに着くと、あたしの高校の男子制服を着ている人の姿があり、彼もこっちに気づいたみたい。
「高畑くん!」
……案の定、高畑くんだった。
こないだ、愛菜とここに来た時もいたしね。
「お前、なんでこんなところに……」
むむっ、『お前』って何よ。
「お前じゃなくて、あたしにだってちゃんと名前がありますからね。星野 ゆりあ!」
「……星野。なんでこんなところにいんだよ」
「あたしも、ここによく来るから。そういう高畑くんは? そんなところで何やってるの?」
「何って……。頼もうかと思ったんだよ」
「ここのクレープ好きなんだね」
「まぁな」
スイーツ男子なのかな。
そんなに楽しみに待っているような顔じゃないけど。