俺の宝物は、お前の笑顔。
「……第一さぁ、なんでおま……星野は俺の隣そうやって歩いてんだよ」
「話してる途中でどっか行ったら、おかしいでしょ」
『お前』って言いかけてから『星野』だと言い直すところで、思わずあたしは吹き出しそうになったけれど、ぐっと堪えて言い返した。
「別に話さなくてもいいだろ」
「すぐ帰れってこと? って、あたし質問したじゃない。でも、答えなかったのはそっちでしょ」
唇を尖らせて、あたしは負けじと言い返す。
「しかも、クレープ同じメニュー頼んでるし」
横目で高畑くんは、あたしのクレープを見つめた。
どうやら、あたしが頼んだクレープは高畑くんと全く同じものだったみたい。
確かに彼が持っているクレープの中には、しっかりと生クリーム、イチゴ、チョコソースが入っている。
「真似したわけじゃないよ! あたし、イチゴ好きだし今日は体育祭の練習で疲れてチョコも食べたい気分だったから、このメニューにしたんですー」
さっきから、彼が怒っている意味が分からなすぎる。
ホント、子供みたい。