俺の宝物は、お前の笑顔。
いよいよ、リレーだ。
参加する人たちは、もう全員いる。
「星野さん! 今日は負けないからね!」
袖川さんがいつもように、ふわふわのツインテールを揺らしながら言った。
「あたしだって、手を抜かないよ! 正々堂々と行こうね!」
「もちろん!」
ついに、あたしや袖川さん達が走る出番が来た。
「いちについて、よーい……」
ドン、とピストルの音が校庭に響く。
「頑張れー!!」
走り出したと同時に、たくさんの声援が混ざり出す。
「袖川さーん!!」
袖川さんのいるクラスの男子の声が、宙を舞う。
「星野さん頑張れー!!」
「ゆりあー!!」
うちのクラスの声も聞こえてきた。
気がつけば、あたしは真っ正面にはゴールのテープしか見えないくらい無我夢中で走っていた。
聞こえてくるエールを受け止めながら、息苦しさを忘れて、走りに走るあたし。
そして、腰の辺りにテープの感触を感じた。
「やった!」
「星野さん!!」