俺の宝物は、お前の笑顔。

声のする方を見ると、うちのクラスの人たちが立ち上がって喜んでいる。


後ろを見ると、同じレースを走っていた人たちが息を切らして走っている。
袖川さんもいる。



「あ、あ……あたし……! 1位だ……!」



「ゆりあ! すごい、すごいよ!」



席の方へ舞い戻ると、ポニーテールを揺らした愛菜が歓喜で震えながら抱きついてきた。



「愛菜……!」



愛菜に続いて、クラスの人たちもワッと集まってくる。



「星野さん、ナイス!」



「やっぱ星野なんだよなあ」



クラスで女の子も男の子も、みんなみんな笑顔だった。



「星野さん」




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