俺の宝物は、お前の笑顔。
「星野さん、マスカラとかはしてないの?」
あたしが袖川さんの顔のパーツをじろじろ見つめている間に、彼女はきょとんとしてそう聞いてきた。
「あたしは、特に……」
「えぇー? 嘘でしょ、それでこんなに可愛いの?」
「袖川さん、マスカラの他には何かしてるの?」
「うーん、日焼け止めくらいかな?」
そうか。やっぱり、マスカラしかしてなかったんだ。
じゃなくて!!
袖川さんこそ、なんでマスカラだけでこんなに可愛くなってんの?
マスカラするだけで、まさかずいぶん変わるとか?
いやいや……でもマスカラはまつ毛に塗るだけだから、この肌も唇もこんなに綺麗に保つのは絶対なかなかできないって……!
「あたしが使ってるマスカラ、紹介してあげよっか?」
「い、いいの!?」
「もち! あたし、いろんなマスカラ見てきたからどれが上手くいきやすいかとか、割と分かってる方だから任せて!」
「続いての競技は_____」
次の競技、男子の徒競走が始まった。