俺の宝物は、お前の笑顔。
健二side
「ゆりあー! こっちこっちー!」
「今行くー!」
星野は、また親友の久保田と一緒に歩き始めた。
星野の後ろ姿を眺めると、束ねられた三つ編みがゆらゆらと揺れる。
……別に言えばいいことなんだけどなぁ。
周りを見ると、割合は一握り程度で、他にもいるっちゃいるんだけど、あいつが1番よく似合ってる気がする。
って、やっぱり無理だな。
あいつもあいつでいちいち俺に突っかかってくるし、俺もいろいろと言い返すもんだから、側から見たら『犬猿の仲』みたいなもんだ。
実際、ただでさえ星野は気まずそうだったし。
そんな俺がいきなり、『その髪型、似合うじゃん』とか言えない。
想像しただけで、自分が気持ち悪く見えちまうや。
「健二!」