俺の宝物は、お前の笑顔。
ゆりあside
午後の競技が始まった。
次は、障害物競走。
使う予定のネットや麻袋は、すでに用意されていた。
「わぁー、高畑くーん! 頑張ってー!!」
「応援してる! 絶対負けないよー!」
……正直、女の子達の黄色い声の『高畑くーん!』はそろそろ耳にタコができてきたかもしれない。
レースが始まった途端に、高畑くんの日に焼けて肉付きのある健康的な脚がすごいスピードで進む。
ネットをくぐるという困難も楽々と乗り越えて、麻袋に脚を入れて進み出す。
「頑張れー!!」
「高畑くーん!」
「ファイトー!!」
「いっけー!!」
高畑くんだけじゃない、他のクラスの声も混ざりに混ざった。