俺の宝物は、お前の笑顔。
次の競技は、台風の目。
「水瀬くーん!!」
「水瀬くんがんばれー!!」
隣のクラスでは今、宗馬の応援コールが響いている。
見ると、隣のクラスは今、宗馬を真ん中に3人の男子が棒を持って走っている。
……宗馬が好きな気持ちは否定しないけど、一緒に走っている2人の男子がちょっと可哀想になっちゃった。
確かに、あの3人の中で1番顔が整っているのは宗馬なんだけど、宗馬だけを応援するのは違うと思うんだよなあ。
「星野さん!」
あたしを呼ぶ声が聞こえて、あたしも2人の女子と一緒に棒を持って走った。
「_____うあっ!!」
あたしはバランスを崩し、ふわっとした感覚に包まれた。
「星野さん!?」
「大丈夫!?」
膝に走る痛み。
見ると、倒れ込んだあたしの膝は赤く腫れていた。
「えっ……!?」
「ウソ……!?」
女子の唖然とした声とともに、引っ張られた感覚。
「高畑くん……?」
あたしは、高畑くんに手を握られ走っていた。