俺の宝物は、お前の笑顔。

「あっ、はい……」



「星野さんって、こんなに頭いいお友達いるだなんて羨ましい〜! 勉強とか教えてもらってるんじゃない!? あたし、実は健二と同じ中学行ってました、袖川 麻衣です!」



袖川さんは、きゃぴきゃぴとした調子で拳を握る。



「あっ、えっと……ゆりあと体育祭で一緒に走ってたので、わたしも、袖川さんのこと見てました……」



「嬉しいなぁ、あたしとも仲良くしてね!」



「あっ、こちらこそよろしくお願いします」



袖川さんに手を掴まれてブンブンと振られ、少しびっくりしたかのように、愛菜はそう返す。



「ねぇ健二〜……ってあれ? 健二は?」



袖川さんがキョロキョロと辺りを見回したので、あたしも同じようなことをするといつの間に高畑くんは姿を消していた。



「帰った。親から連絡あって、急いで帰ってこいって言われたんだってさ」



宗馬がスマホをいじりながら、軽い調子で言った。



「え〜、そっか。残念。みんなといるから疲れちゃったかなぁ。じゃあまた今度」



……なんか、こうやって高畑くんが帰って袖川さんが話せなかったのは、あたし達のせいだとでも遠回しに言っているような気がしたのは、気のせい?


だよね……?



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