俺の宝物は、お前の笑顔。
「ゆりあ、あそこにいるのって……」
「ん?」
愛菜が指をさした方にいたのは、りんご飴を頬張っていた、袖川さんだった。
真っ白な浴衣に、花模様がない代わりにレースがついている。
いつもはふんわりとしたツインテールに結っている髪の毛も、今日は後ろで三つ編みにしていて、白いリボンがついている。
わぁ、かっわいい……!
まるでお姫様が浴衣を着てるみたいっ……。
マスカラをちゃんと塗っているようだし、唇もいつものようにプルプルツヤツヤに輝いている。
「何あの子……」
「かわいー……!」
「まるでアイドルじゃん……!」
こそこそと、いろいろな男の人たちの声がしてくる。
「すごい注目の的になってるね……」
愛菜の言葉に、あたしは思わず、うん、と頷いた。
だって、あの真っ白でレースをつけて、髪にはリボンまでつけた浴衣を着た袖川さん……まるでウェディングドレスを浴衣の形に変えたみたいで、やっぱりお姫様みたいだもん。
きっとこのまま放っておいたら、ナンパされちゃうんじゃない……?
1人で歩いていて、危なそう……。