俺の宝物は、お前の笑顔。
かき氷の列は、結構並んでいた。
まあ、仕方ないけど。
何分かかけて、あたし達はかき氷を買った。
高畑くんはブルーハワイ、愛菜はメロン。そしてあたしは、イチゴ。
急に高畑くんの後ろで、にゅっと人影が近づいてきた。
「おわぁっ!!」
「うん、対して味は変わんねえな」
人影の正体は、宗馬だった。
宗馬は、いつの間にかスプーンで高畑くんのブルーハワイのかき氷をすくって食べていて、もう片方の手にはレモン味を持っていた。
「何すんだよ、宗馬」
「ケチケチすんなよ、一口くらい食わせてくれてもいいだろ。なぁ、ゆりあのイチゴと久保田のメロンも一口食っていいよな?」
「無理してオッケーしなくていいからな、久保田」
「なんでそれ、愛菜だけに言うのよ。あたしのかき氷だけは無くなってもいいっていうの!?」
「星野はそんなこと言われなくても、断れるだろ」
確かに愛菜は、あたしと違うからね。
愛菜は、昔からちょっと大変なお願いをされたとしてもニコニコしながら受け入れるからね。
それが、愛菜の長所でもあり短所でもある部分なのだ。