俺の宝物は、お前の笑顔。
「おお、射的じゃん!」
宗馬が、声を上げた。
確かにその屋台には『射的』と書かれてあり、いろいろな商品が売ってあった。
アニメのグッズなどもいくつかあって、その中にはランニングシューズのもあった。
「マジ? ランニングシューズの菓子とかもあんじゃん! 欲しいー!」
「兄ちゃん、射的挑戦してみるか?」
おじさんが、得意げに笑いながら宗馬に話しかけた。
「大丈夫なのかよ……」
高畑くんがその様子を見て、ボソッと言った。
「宗馬は別に射的苦手じゃないから、いいんじゃない?」
そう、宗馬は射的は割とできる方。
ずば抜けて得意ってわけじゃないんだけど、小学生の頃から射的は好きで、狙っているものには比較的当たる方なんだ。
「そうじゃなくて、たまにいるだろ。タネ仕掛けて、わざと全部外れにして金稼ぎだけにしてるずるい奴」
「あっ……」
まあ聞いたことはあるけれど、そんなことするのは全員じゃないし……。
というか、今の言葉が店員さんに聞こえちゃったら失礼じゃない?