俺の宝物は、お前の笑顔。
「お姉ちゃん、ゆりあちゃん!」
明るくて幼い声が聞こえてきて、見てみると近くで歩いていたのは愛菜ママと一緒に歩いている、瑠夏ちゃんだった。
「瑠夏!」
「瑠夏ちゃん!」
瑠夏ちゃんは、可愛いピンク色で花柄の浴衣を着ていた。
白い帯をつけていて、着物を着たお人形さんのよう。
まんまるのお団子ヘアで、ピンクと紫の2色の丸いかんざしを頭につけている。
「高畑くん、水瀬くん。この子は、わたしの妹」
「久保田って妹がいたのかー」
宗馬は愛おしそうに瑠夏ちゃんを見て微笑んでいたが、高畑くんはチラリと見ただけで全然興味なさそう。
子供相手にも、その態度か……。なんだか呆れちゃうや。
「ふふっ、そうなの。小学3年生で、瑠夏っていうの」
「瑠夏ちゃんも浴衣なんだね!」
「うん! 似合うかなー?」
瑠夏ちゃんは、手を広げてぴょこぴょこさせている。
「似合うよ、すっごく可愛い!」
「ママ! 瑠夏、わたあめ食べたい! あと、ビー玉救い!」
瑠夏ちゃんが愛菜ママの手を掴んで、もう片方の手で指さしているところは確かにわたあめの屋台が売ってある。
「はいはい、じゃあ愛菜、ゆりあちゃん達と楽しむのよ」
「はーい」
あたし達は、愛菜ママ達と別れて再び歩き出した。