俺の宝物は、お前の笑顔。
「いやー、久保田の妹って可愛いなー」
宗馬がひょこひょこと歩いていく瑠夏ちゃんの後ろ姿を見ながら、微笑んでいる。
「でしょでしょ! 瑠夏ちゃんほんっと可愛いの。しかも礼儀正しくていい子なんだ」
すかさずあたしも言った。
瑠夏ちゃんを見ると、慣れない下駄で歩いていて、まだ歩き慣れずにぴこんぴこんと跳ねるように歩くちっちゃな子みたいで、母性本能をくすぐられちゃう。
「お前ロリコンって思われんぞ」
宗馬に対して、高畑くんは横目で見る。
「なんでだよ。そこらへん歩いている犬とか猫のこと可愛いって言ってるのと同じだっつーの」
「だからって、口に出さないと気が済まないのかよ」
なんて失礼なことを言うんだろうか。
しかも、瑠夏ちゃんのお姉ちゃんである愛菜もいるところで。
「だってねえ、瑠夏ちゃん可愛いんだし」
あたしが宗馬に対して頷きながら、そう言った。
「お前の妹じゃないけどな」
「だから何よー、友達の妹を可愛がったらいけないの?」
ぶっすーとした顔で、あたしは言い返した。
あんないい子に対しても、塩対応だなんて年上としてどうなんだろう。