俺の宝物は、お前の笑顔。
気がついたら、あたしは袖川さんの方へと駆けて行っていた。
後ろから、3人もついてきてくれている。
「あっ、みんな……」
あたし達が来ることで、安堵したように胸を撫でおろす袖川さん。
あたし達を見て、つまらなそうに口をとんがらがせた男の人たち。
「なんだよ、お前ら」
男の人は、あたしを怖がらせようとしているのか、思いっきり低い声で言ってくる。
「なんだよって、この子の友達ですが何か?」
本当はこんな人たちに関わるのは、あたしだって怖かった。
だけど、後ろには味方が3人もいることで、なるべく怖がっていることを隠せたと思う。
「この子が何かしたのなら、今から先生を呼びますんで言ってください。学校の方でなんとかしてもらいます。先生に聞いてもらった方が手っ取り早いしね」
宗馬が、スマホを取り出して操作をするふりをし始めた。
「そうだね! 掛けてくれる?」
その途端、さっきのニヤニヤしていた表情はどこへやら男の人たちは一瞬で焦りをあらわにした。
「や、やめろっ!」
「行くぞ!」