俺の宝物は、お前の笑顔。
夏祭りが終わって、2日後。
家で勉強していても、暑すぎて集中ができたもんじゃないので、宗馬と2人で近くのプールに行った。
「やっぱ、水泳はお前の方が上だな」
プールサイドに座りながら、俺は宗馬に言った。
「だろ?」
得意げに笑う宗馬。
宗馬は小学生の頃にスイミングスクールに通っていたこともあって、泳ぐのが上手い。
走ることに関しては俺の方は上なんだけど、やっぱり水泳の方はどう足掻いたって、こいつには勝てない。
「ゆりあの奴も、よく短期で来てたんだよ」
「あ、そうなんだ」
幼なじみだってことは聞いていたけれど、一体どれぐらい一緒にいたんだ、こいつらは。
「あいつ、やっぱ運動神経いいからさー」
「そりゃそうだろ」
足の速い美少女と言われていたら、そりゃあまあ運動神経はいいに決まっているだろう。
「なあ健二」
「なんだよ」
「もし俺がさ……
昔、ゆりあのこと好きだったって知ったらどうなる?」