俺の宝物は、お前の笑顔。

「は？」



こいつ、何聞いてんだ？


昔、星野のことが好きだった？


ていうか、好きなら言えばいいじゃねぇか。



「いや、例え話だと思って答えてくれていいよ」



例え話だと思って答えればいいって……。


好きじゃなかったら、そんなことは普通言わないだろ？


好きだったってことだろ？



「別に幼なじみ同士が結ばれるって珍しくないじゃん。おかしく思わなくていいと思うけど？」



「いや、そういう意味じゃなくてさ……」



じゃあどういう意味なんだよ。


どう思うかって聞かれたから、俺は答えたんだよ。



「なんつーか……あいつ、バカなんだよ」



「知ってる」



あいつはバカみたいに明るいし、バカみたいに笑うよ。


あそこまでバカ丸出しなことを言ったりもしているんだから、俺にだって分かるよ。
星野がバカだってことくらい。



「あいつがバカなことに関して、なんか関係あんの？」



「大アリだよ」



ふーん、こいつは勉強できる系の女子が好きなのか。



「じゃあ、なんで好きになったんだ？　あいつより勉強ができる女子なんていっぱいいるだろ」



「違う。勉強できるかどうかの話じゃない。俺さ……。あいつに言ったんだよ」