俺の宝物は、お前の笑顔。
第四章
ゆりあside
夏休みが終わり、文化祭の出し物について話し始めるようになった。
「文化祭、何売るんだろうねー」
文化祭では、毎年生徒が希望したお菓子を売ったり、劇やお店などたくさんのものを用意する。
去年は……確か、タピオカやあんず飴を売ったりしていたって先輩が言ってたな。
「わたし、スコーン売りたーい!」
「ポップコーン食べたい!」
「食べるんじゃなくて、売るんでしょ!」
先生が席を移動して他の人と話し合うことを許可したことで、クラスの女子達は、いつメンで固まっている。
文化祭の出し物……かぁ。
「ゆりあ、何か考えたー? あっ、ゆりあ、ワッフル売ってキャラメル味出したいなーとか思ってるでしょ?」
愛菜が、自分の椅子を持ってきながらあたしのそばに座りながらそう言ってきた。
図星だ。
あたしは、キャラメルのスイーツでは中でもワッフルが好き。
だけど、ワッフルを売るにしてもキャラメルってチョコやイチゴと違って定番の味じゃないから、毎回どのスイーツでもキャラメル味がないんだよなあ。